開業医が教える歯医者で開業するのに必要な物、たった3つ
歯科大学で研修しているが、そろそろ開業のことを考えたいが、どこから手をつけたらいいのかわからない
身近な人に相談したいが、開業の相談をすると、まじめに指導してくれなそうでこわい
そんな方に記事を書いてます
この記事は
現在、歯医者で開業して4年目のペンギンが書いてます。古すぎず、新しすぎずで経験談をお伝えできると思います。
この記事を読むことで
歯医者で開業するのに必要な物がわかる
開業を視野にいれているのであれば、目標が決まる
ように書いていきます。
そしてあなたが
開業に向けて「どんぴしゃの準備」一番役に立つ手順で勉強できます
1.歯医者の開業で本当に必要なもの
歯医者の開業で本当に必要なものは、たったの3つです。この三つがあればだれでも開業できます。逆にこの3つがなければ、保険診療機関として開業できません。かならず手にいれましょう。
1-1、歯科医師免許
一番大切なのは、歯科医師免許です。
歯科大学を卒業して、歯科医師国家試験に合格することで手に入ります。
なくしたとしても、管轄の保健所で再発行できます。
結婚して姓が変わった場合なども、再発行が必要です。
いまはA3の大きさですが、クレジットカードくらい、もっと小さくしてほしい!!!
コピーをとっておいて、万が一本物をなくしても、コピーをとっておいてなくさないようにしましょう。とくに、免許登録番号と登録年月日が必要です。
歯科医師でないと開業できない理由は、国民の健康に危害がおよぶからです。
たとえば、ユニクロが歯医者が儲かるといって大きな歯医者を開業することはできません。どの業種からも参入できるようになって、どんどん安く医療を提供できるようになってしまったら、医療の安全性が保障できなくなります。
保健所で、病院を申請するときに必要です。
1-2、保険医登録証
歯科医師免許を取ったうえで、厚生局に届け出すると、保険医登録証が手に入ります。
研修先に歯科医師免許証を提出すると、こちらの届出も手伝ってくれます。
研修先でも保険医登録してないドクターに保険診療させるのは、違法になるからです。
こちらは私のときはハガキサイズでした。これもそこそこの大きさにコピーとって持ち歩きましょう。保健所の届出や、研修先にはコピーがあればなんとかなります。
保険医登録してなければ、保険診療はできません。
こちらもなくしてしまった場合は、厚生局で再発行してくれます。
保健所で、病院を申請するときに必要です。
1-3、研修医修了証
昔は歯科医師免許と取った後の研修医は義務化されていませんでしたが、現在は義務化されていますので、研修医修了証がないと開業できません。保健所で、病院を申請するときに必要です。
研修医が終了すると、研修先でもらえます。
こちらもなくしたら、研修先の○○歯科大学などで再発行してくれます。
2.開業に向けての準備で本当に必要なもの
歯科大学を卒業して、研修医も終わったらもう即座に開業できます。
では、なぜできないのか。
それは、歯医者としての経験とお金の問題が大きいです。順に開設します。
2-1 歯医者で開業を考えた研修先、場所、規模の選定
もし開業することが自分の中で決定していたら、その開業場所の近辺で研修先を選びましょう。たとえば、秋田で開業するなら、秋田大学の歯科口腔外科とか、徳島で開業するなら徳島大学の口腔外科など、開業場所の周囲で研修するのがおすすめです。
研修医の間に、周囲の先生と仲良くなれますし、土地勘も養われるからです。
私は、歯医者としての実力をつけたかったので、まったく関係ない田舎で寮生活をしましたが、歯医者としての度胸はつきましたが、研修とまったく別の場所で開業しましたので、時間の蓄積のメリットは開業には役立ちませんでした。
学生のころに開業する、勤務で過ごす、などの明確なビジョンがなかったからです。
研修は田舎、開業は都内というパターンでは、都内でコミットしてる開業医には勝てません。
逆に、研修先の周囲で開業する手もあります。
同期には、都内出身なのに、地方に、研修医でいって、大学院、助手、科研費まで、その近辺で開業するというツワモノもおりました。
確かに、その地方にとっては、大学病院の肩書もあり、お金も借りやすいし、地域の患者さんは、「○○大学病院の先生」が開業したと地域で評判にもなります。
大学病院とのコネクションも維持されるので、よいことだらですね。
そこまでやるには、歯学部の学生のころから開業を念頭において、時間という実績をつみあげてますね。
2-2 歯医者で開業を目指すときに勉強すべきセミナー
歯医者の世界で、治療に関するセミナーと経営に関するセミナーがたくさんあります。
開業を目指すのであれば、経営に関するセミナーにいくといろいろ情報が得られます。
「歯医者 開業」で検索すれば広告がたくさんでてますよね。
私がおすすめするのは、保険医協会のセミナーです。
非会員でも受けられるし、安価なものが多いので、開業を考えている土地か、今つとめている場所の保険医協会の新規開業セミナーを受けてみましょう。べつに、しつこく営業もされません。
2-3.歯医者で開業するのに必要なお金の問題
研修医で働いた実績のみでは、そんなに資金がないと思います。仮に、研修医時代に30万円もらえたとしても、1年間働いていても360万円です。
360万円では開業はできません。親から借りるか、金融公庫、銀行から借りる必要があります。
数千万という借金をするのであれば、3年間くらいちゃんとした過去の実績が必要です。
360万円でも、3年間きっちりためれば1000万円くらいになります。
そこから、事業用のローンであれば、2倍から3倍、がんばれば借りれるでしょう。
よく直後に開業する人がすくなくて3年目くらいで開業するのは、このためです。
必要なのは、収入があって、しっかり納税している実績です。
融資の審査のときに、納税証明書の提出があります。
だから、最短でも、研修が終わったあと、2年か3年はお金を貯めて実績をつくるか、家族親戚からお金を集めて
「こんなにあるけど、まだ少し足りないから貸してくれ」と銀行にかけあう必要があるのです。
3.歯医者が開業をめざすときの情報の具体的仕入れ先
開業を考えて、場所も決まった、もう研修医も終了予定で、すぐ開業したい。
研修が終了して、免許も、保険医登録証も、研修修了証も手に入ったら、次に必要なのは、ユニットと、テナント(ハコ)とお金です。
情報は、ユニットメーカー、歯科問屋、不動産屋、出入りの技工士、コンサルタントに相談して検討しましょう。
3-1.ユニットメーカー、歯科問屋
具体的には、新規でやるならばユニットやタービンは、絶対に買わなくてはなりませんので、ユニットメーカーに声をかけてみましょう。手持ちの良い物件を紹介してくれます。お金の借り方や、資金調達についても、自分の製品を売るためなので、場合によっては、やり方から、根回しまで、紹介してくれます。
声をかけただけでは、適当な物件を2,3紹介してくれて終わりなので、あなたの本気度合を伝えましょう。
「研修先には内緒」ときちんと伝えておきましょう。
どこからともなく、つたわって、開業ねらいの診療県内に研修先の知り合いがいたりで、じゃまされることがあります。
ユニットメーカーや、問屋さんは、売れれば問題ないし、むしろ近くに同じユニットがあったほうが、どちらかのメンテに来た時に、一緒に寄れたりするので、関係なく教えてくれます。
3-2.不動産屋
平行して、歯医者をやる土地か建物か部屋は必要ですので、不動産屋に何軒か、「歯医者で開業するのにいい場所を探している」と声をかけましょう。
テナント側の条件で、医療OKとか、水道不可など条件があるので、声をかけておくといいです。ある程度具体的にこちらの情報も伝えましょう。不動産屋も、どのくらいお金持っているのか、どのくらい本気なのか、こちらを判断してきます。
私の実体験では、気に入った駅があって、周辺不動産10件くらいに足を運びましたが、返答は何もなかったことがありました。電話番号まで伝えたのに、本気にしてもらえなかったですね。不動産屋に話しかけたら、鬼のように営業がくると思ってましたが、そんなことはありませんでした。お互い仕事ですので、気にせずに声をかけてみましょう。
不動産屋は、資金調達に関しては何もしてくれません。いいテナントが見つかった→歯科問屋さんに内見→問屋さんに資金調達も手伝ってもらう流れになるでしょう。
私のときは、今住んでいる場所で、いいテナントがあいたので、自分で内見→問屋さんと内見→内装屋と内見→図面書いて貰って、ユニットとの見積もり、まですすめたことがあります。他の記事に書きましたが、3000万と見積もりでたので、断念しました。そこまでしてもらっても無料です。ちょっと図面代くらいは出してもよかったと思いますが、お金なかったので甘えちゃいました。断ったテナントは、その後は美容室になりました。
3-3.技工士さん
出入りの歯科技工士さんから物件を教えてもらえることがあります。歯科技工士さんのまわっている歯医者が後継者を募集しているなどという情報です。こちらは居ぬきが多いですが、ときどきすごい物件がでることがあります。
税理士、コンサルタント
私はコンサルタントを介さなかったので、詳しくはわかりませんが、今はコンサルタントはたくさん新規開業を手伝ってくれるようなので、一度相談してみてもいいかもしれません。
過去の実績をみせてもらうといいですね。できればそのコンサルタントを使って開業した先生の病院まで足を運んで、その先生とたくさんお話しできたら万全です。
歯医者で開業したいとき本当に必要なもの。たった3つ。まとめ。
研修医の先生が開業を考えたときに役に立つことを記事にしました。
自分はたくさんの相談できる先生がおりましたので助かりましたが、開業するかどうかはその時の流れで考えようとしか考えてなかったので、本当にそのとおりになっています。
開業を考えているのであれば、それについての準備は早ければ早い方がいいです。
研修先から開業を視野にいれて選んだ方がよいです。
未来にむかってがんばってください。
それではまた明日